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北アルプス爺ヶ岳冷尾根へ行ってきました

2016年3月16日(水)~3月18日(金)までの3日間で北アルプス爺ヶ岳冷尾根へ行ってきましたので報告します。せんだコンビで行ってきました。

メンバー:仙田(4回)、千田OB(2名)

目的(仙田):バリエーションの総合力アップ


2045ピークから見た冷尾根と爺ヶ岳北峰



ルート行程

3月15日(火):0日目

仙田は電車(18切符)で前日入り。電車途中で見えた比良山系にはこの時すでに雪がない。伊吹山、能郷白山付近は少し白かった。この日の晩は千田先輩宅へお邪魔しました。ここで装備分配、行程の確認などなど。ここでも山の話をたくさんしました。もっと話したかったですが、明日は早いので寝ました。千田先輩とは以前に一度お会いしただけだったので、一緒に山へ行けることにワクワクしつつ、少し自分に不安もありました。とても新鮮な感覚です。

3月16日(水):1日目

4:30起床~大谷原~8:45出合~9:50冷尾根取付~11:15細尾根~12:12細尾根上部~12:58,1971ピーク~14:00,2045ピーク~15:30幕営(略奪点手前)

4:30起床し、紅茶を水筒に入れ、車にて出発。荷物は1人25kgくらいだったでしょうか。車での移動途中、北アルプス南部がきれいに見えました。8:00過ぎに大谷原駐車場に到着し、準備。駐車場からは、林道を北上しました。スノーモービルが通った形跡があり、ラッセルではありません。少しすると、大冷沢と小冷沢の出合に到着。



小冷沢の右岸を進む

橋を渡らず、小冷沢の右岸を詰める。何個か砂防堰堤を通過し、これ以上進めないところまで来たら渡渉しました。標高は1200m付近の地形図上で最後の堰堤です。ここまでは圧雪された雪道、テープもありそれに従って進行。渡渉は大きな堰堤の手前の水深の浅い箇所をつないで通過。渡渉時は防寒テムレスが役立ちました。

渡渉後、少し急な小ルンゼを慎重に進み、ちょっとした尾根に乗って休憩。この後も小ルンゼに気を付けながら高度を稼ぎました。この登りで大分足の筋肉を使いましたが、ようやく尾根の主部へ到着。爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳のかっこいいピークがよく見えます。個人的には、尾根の方に目が行ってしまいましたが。


2045ピークから冷尾根

ここで本日の幕営地をどのあたりにするのか、の議論。「だいたいあの平らな場所でしょうか?」「いやもっと上で張れるよ。」のような会話をする。それにしても略奪点が壁みたいになっていて、事前に写真で見たときより難しそうに感じる。また、爺ヶ岳北稜がかっこいい。主稜もかっこいい。

ここからは途中、シビアなところが幾つかあるも突破。ワカンでシビアな所を通過する経験があまり無かったため、怖い部分もあった。今回の課題でもある。尾根上では常に、万が一滑落するなら右左どちらが良いか考えながら進んだ。また、尾根上のちょっとしたリッジかルンゼなら、リッジ上の方が楽だということを実感した。今後意識したい。


少しシビアな箇所(写真でみるとそうでもない、、、)

さて、幕営。かなり略奪点に近く、幕営地から明日の動きを確認。何とか50mロープで足りそうだ。また「幕営の整地面積は広すぎるくらいがいい!」ということを意識し、幕営完了。

今日の晩飯はタラの豆乳鍋だ。正直、タラは腐敗が早いから心配だったが、冷凍に気を配ってきたため大丈夫だった。冬山の鍋は最高だ。今後も色々な具材で試してみよう。そしてこの晩は「チータラ」というおつまみの存在を知った晩でもあった。

3月17日(木):2日目

4:30起床~7:00略奪点取付~7:301P目終了~8:102P目終了~8:30登攀終了~9:00爺ヶ岳北峰~10:05冷池山荘~11:55布引山~12:35鹿島槍ヶ岳南峰~13:20北峰~13:55コル~15:45冷池山荘(幕営)

この日は略奪点登攀と鹿島槍アタックと充実した行程だった。朝飯のリフィルを食し、ハーネス、ワカンを着用し出発。出発したのが6時過ぎだったから1時間もしないうちに略奪点取付に到着し、ビレイ点を作った。1P目のビレイ点は冷尾根が吸収された末端から始めた。

1P目:45m(仙田)

左のルンゼに入りすぎないように左上し、白樺で終了点を取る。白樺のブッシュ帯が2か所あったが、トラバースせず左上し取りつく方を選んだ。ランナーはスノーバーで取った。途中、少しアイスチックになっている箇所があり快適。


1P目のルンゼ左上

2P目:45m(千田先輩)

1P目の終了点からトラバースし、北稜に乗り、稜線伝いに進む。北稜に乗ってから途中、急斜度の雪壁がある。斜度緩くなったあたりでピッチを切る。少しコールが聞こえにくかった。


2P目をリードする千田先輩

3P目:20m

ロープを出す必要がなさそうだったが、大丈夫か確認のため1P登る。このあたりは北側に大きな雪庇が発達していた。どうやらここからは問題なさそうなので、ロープはしまいこむ。


雪稜を進む

この登攀では、難易度というよりも滑落したら命に係わるのでロープをだした。北稜にのっこすとき、ロープの流れが悪くなるので、一つランナーを取っている様子を見てランナーの取り方を学んだ。もう一つ、セカンドのビレイをボディビレイで行った方がロープワークのスピードが速くなるというアイデアを頂いた。

この後は、ワカンで途中まで進むも、硬い斜面になったのでアイゼンに履き替える。爺ヶ岳北峰に到着し、後ろを振り向くと北稜がきれいに見えた。


来た稜線を振り返る

北稜からは夏道沿いに冷池山荘へ。冷池山荘までは途中樹林帯を経て到着。時間があったため鹿島槍へアタックを決定。荷物はデポした。途中の布引山のぼりで鹿島東尾根から来た信大の友達と会う。この日も日射が強かったため、雪が解けてグサグサだ。南峰に到着。鹿島槍ヶ岳が初めての登頂の仙田は景色を見て感動した。頂上に着いたら槍穂高~立山剱~毛勝三山、五竜~白馬もしっかり見えた。


布引山付近で撮影。

途中クラックを見た。

布引山までの斜面で、東側に雪庇が発達していた。北俣本谷への底雪崩になるのも時間の問題。

鹿島槍ヶ岳南峰から、さらに北峰を目指した。南峰の下りは油断のできない斜面だ。ダブルアックスが欲しかった。慎重にバックステップで降りた。

鹿島槍ヶ岳北峰に到着。


北峰にて撮影。バックは南峰と剱、毛勝方面。

北峰は南峰よりも低いが、東尾根や北壁がある良さがある。鹿島槍ヶ岳東尾根といえば、同志社大学山岳部OBの佐野崇先輩が平成10年3月亡くなられた場所でもあった。私たちは鹿島槍東尾根、荒沢尾根の方向に向かって祈りをささげた。また、当時パーティは偶然にもこの時期に山に入っていた。今回、全行程で晴天に恵まれ、無事下山できたことは、見えないところで支えてくれていたに違いないと思った。

鹿島槍ヶ岳東尾根にもいかないとなと思いつつ下山。もともと興味のあった北壁ものぞいてみると、結構切り立っている。しかし、冬壁というより雪壁?岩岩してはいなかった。


北壁の方向を見おろす

コルで少し休憩をとり出発。南峰への上りは下りよりも簡単だった。そして、布引山、山荘といいペースで下山。


途中で出会った雷鳥。鹿島槍ヶ岳へ上っているようだった。

今日は冷池山荘の前にテントを張って泊まった。晩飯は鶏肉のキムチ鍋。


テント内。

稜線上であるのに手前の樹林帯が防風林となってテント周辺は無風であった。そんな環境のなか今日も床に就いた。

3月18日(金):3日目

4:30起床~7:05赤岩尾根頭~7:45,2200m付近~8:30高千穂平~10:00西俣出合~11:15出合

今日の行動時間は短いが、雪の状態が良いうちに降りてしまおうということで昨日の同じ時刻に起床。稜線上は少し風があったが、赤岩尾根に取りつくと風はほぼ無風状態になった。赤岩尾根は上部で少し急斜面、ナイフリッジであった。そして、日が照るにつれて雪の状態が悪くなってきた。


赤岩尾根の下口


爺ヶ岳の北面。かっこいい~

高千穂平付近から爺ヶ岳を見ると、昨日登った冷尾根や略奪点がはっきり見えた。高千穂平から、結構暑くなってきた。それとともに雪質がジャリジャリに。慣れない雪質に何度も転んだ。慎重にかつ素早く降りるようにしないとな。西俣出合に到着し、あとは林道沿いに進むのみ。途中、ちょうど東尾根の取りつき近くでカモシカにも会った。


カモシカ。

ずっとこっちを見ていた。小冷沢と大冷沢の出合に到着。

3日間とは思えないような充実した登山になった。振り返ると冷尾根と鹿島槍の稜線。入山の時にはあまり気にも留めなかったが、今ならあの稜線がよく見える。ちょっと視野が広がった気がした。ようやく駐車場に到着!温泉にも行きました。

千田先輩との初の登山であったが、十分なほど楽しめたし、得るものが多かったです。登山の考え方からリーダーの判断、細かい動作の工夫まで様々なことが学べました。リーダーシップについて、行動の判断については、いかに合理的に考えられるかがポイントでした。隊として「安全×スピード」で進むにはどうすればよいのかを考えれば自ずと答えは出てくるということでした。一緒に行っていただいたOB千田先輩、そしてお家にお邪魔して色々とお世話になったOG千田先輩、本当にありがとうございました。

最後に、今回の合宿の詳細について。

食糧:

鍋①(タラ、野菜セット、豆乳鍋キューブ3つ、生米2合)、鍋②(鳥むね肉、野菜セット、キムチ鍋キューブ3つ、生米2合)、リフィル6個、砂糖、ミルク、紅茶、ポタージュ

反省:飲み物セット不足(特に砂糖。ほうじ茶も持っていけばよかった)。

発見:うどんはいいかも。チータラも。朝は飲み物→食事の順。

装備:

登攀具:7.9mm×50mロープ、スノーバー3、土嚢袋(使わなかった)、ダブルアックス。※すべては記載しない。

ガス:500ml×1本、250ml×1本(250ml缶は残った。)※どちらも厳冬期用ではない。

反省;外張りがボロボロ、下着替えは2泊ではいらない。

発見:テントシューズに防寒テムレスは使える。湯たんぽはあり。地形図に概念かく。カメラの携帯方法。

医療:

葛根湯、アミノバイタル、ロキソプロフェン、常備薬など。

特に困らなかった。まったく使わなかった。

気象:

ラジオによる気象通報やNHKニュース。「週間寒気予想」を見る。

文責 仙田

写真 千田先輩、仙田
プロフィール

dacob

Author:dacob
同志社大学山岳会は同志社大学体育会山岳部のOB会です。

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